虫歯や歯周病、不適合な入れ歯などのお口の要因に加えて、加齢や全身疾患など様々な要因によって、口腔の機能が複合的に低下している状態を指す疾患です。放置すると、栄養の偏りやエネルギー不足になり、全身の健康に悪影響を及ぼします。50代では約半数、60代では6割以上、70歳以上になると8割以上の方が口腔機能低下症であるとされています。
「食べ物が噛みづらい・飲み込みにくい」「お口の中が乾く」といったことでお困りの場合は、口腔機能低下症の可能性があります。
お口の機能は少しずつ衰えていくので気がつきにくいですが、40代頃から口腔機能の低下は始まっています。高齢になり、進行した状態だと、向上させていくのは難しく、時間がかかります。今、症状がなくても、口腔機能低下症を放っておくと、将来的に寝たきりになるリスクもあります。早めの対処が肝心です。まだまだ鍛えていく力がある40代頃から対策していきましょう。
診断
口腔機能低下症の診断には、口腔機能精密検査として、いくつかの検査を行います。

口腔機能低下症の7つの下位症状(口腔衛生状態不良、口腔乾燥、咬合力低下、舌口唇運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能低下、嚥下機能低下)のうち、3項目以上該当する場合に口腔機能低下症と診断されます。
お口の機能は、加齢とともに誰でも低下していくものです。 そのスピードを遅らせ、緩やかなカーブを目指しましょう。全身の健康のためにも、40~50代の早いうちからトレーニングなどの対策をはじめ、お口の機能を保ち、豊かな食事と健やかな生活を長く続けていきましょう。